万葉集(奈良時代)
『万葉集』は、日本に現存する最古の和歌集で、奈良時代の末期に成立したとされています。
ここでは、この『万葉集』に収められている短歌(和歌)を見ていきましょう。
韓衣 裾に取りつき 泣く子らを 置きてそ来ぬや 母なしにして
「韓衣 裾に取りつき 泣く子らを
置きてそ来ぬや 母なしにして」
(からころむ すそにとりつき なくこらを
おきてそきぬや おもなしにして)
【出題校:慶應義塾中等部2023】
こちらは『万葉集』に収められている、防人(さきもり)の歌です。(防人とは、北九州の防備のために諸国から集められた兵士のことです。)
現代語訳としては「服の裾(すそ)にすがりついて泣き叫ぶ(自分の)子どもたちを置いてきてしまったものだ。あの子らはすでに母親も(亡くなってしまって)いないというのに。」となります。
より詳しい解説は、「短歌探求」をご覧ください!
(リンク)
古今和歌集(平安時代)
「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
からくれないに 水くくるとは」
(ちはやぶる かみよもきかず たつたがわ
からくれないに みずくくるとは)
【出題校:慶應義塾中等部2023】
こちらは在原業平(ありわらのなりひら)の短歌(和歌)で、「古今和歌集」に収められています。
現代語訳としては「不思議なことが多かった遠い神々の時代の話にも聞いたことがない。竜田川の水面が(絞り染めで)紅(くれない)に染まるなんてことは。」になります。
竜田川の水面に紅葉が美しく散り敷かれている様子を詠んだ歌ですが、実際の景色を詠んだものではなく、屏風(びょうぶ)に描かれた絵を見て詠んだ歌(=「屏風歌」)だと言われています。
より詳しい解説は、「短歌探求」をご覧ください!
(リンク)